②「謹んで篤子さんに捧げます」

「偲ぶ」追悼文集

 篤子さんが重体である旨を伺ったのは六月二十三日の事でした。その時の驚きは身体の震えが止まらないほどでした。余りにも突然だったからです。篤子さんの優しい笑顔を思い出しつつ、快復を祈り続けておりました。しかし間もなく、辛く悲しい知らせを受けたのです。重体である胸を伺ったその日が御命日であった事をその時知りました。

悲しさと悔しさが交差し、御本尊様の前で暫し滂沱致しました。

 唱題し心の落ち着きを取り戻すと、若き青春時代に教えて頂いた数々の指導が走馬燈のように思い出されて来ました。

 私が家族の反対する中を信仰に励んでこれたのも、篤子さんの激励があったればこそと唯々感謝の思いで一杯です。それにも増して篤子さんに、私は池田先生を教えて頂きました。

 広布に生きる女性のあり方を学びました。そして人材を育てる事の尊さを知り、また、仏道修行の厳しさを叱咤激励されつつ身を持って覚えました。

 私は今でも良く思い出します。「追っても追ってもついてくるポチは本当に可愛いね」の歌を通して、叱られても叱られてもついて来る、根性のある人、信念のある人になりなさい、と。 私の信心の基盤と骨格はこうしてつくって頂いたと報恩の心で熱くなります。

 先日も婦人部の先輩が我が家を訪ねて下さり、話題が篤子さんの事になりました。当時、地区講義を担当され、その時の結集が120名という、ひと地区では未曾有の結集であったというのです。篤子さんのひと言ひと言は、仕事を終え、学会活動に励む同志の心をどれ程勇気づけたか計り知れなかったといいます。まさに情熱の人だったと思います。

 突然の不幸は悲しい事です、淋しい事です。しかし、ご安心下さい。篤子さんから受けた薫陶は私の心に生きています。更に自身を磨き成長してまいります。

最後になりましたが、御本尊様にご冥福を祈りつつ、筆を置きます。

                      

                                 鈴木 康代

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